プラネタリウムに一時期行きまくっていた。
丸一日プラネタリウム巡りをしたこともある。その時は4件回った。
プラネタリウムは各劇場、各プログラム趣向を凝らしたものになっているが、基本はその季節の星座の紹介がメインである。
結果、冬の星座の紹介を4連続で聞くことになってしまった。当然寝まくった。
プラネタリウムのはしごはおすすめしない。
そんな私が一番いいと思ったプラネタリウムがこれである。
学研の大人の科学マガジンシリーズ 新型ピンホール式プラネタリウム。
色々なプラネタリウムを巡った結果、家庭用のこれが一番素晴らしいという結論に至った。
実際人気はすごいもので、学研のwebサイトでは在庫切れ、Amazonではプレミアがついて定価の倍で出品されていたりもする。
これがPV
これの素晴らしいところは、壁全面に星空が映し出されるということ。他の家庭用プラネタリウムは天井だけなど、壁一面しか照らせないことがほとんどである。
自分の部屋が全面星空に変身する。この驚きと感動は他のどんなプラネタリウムにも代えられない。
特に一人暮らしのアパートなんかだと、最高にロマンチックな感じになる。もちろんBGMはBUMP OF CHICKENである。
しかしこの製品は弱点もある。
まず、付属のキットを組み上げる作業が60~90分ほどかかり、思いの他苦労する点。
恒星球を作るにあたってパーツを貼り合わせていくのだが、パーツ同士の隙間を上手に黒テープでふさがないと光が漏れてしまう。正直かなり億劫な作業だが、丁寧な仕事をしないと、自宅の星空に予期せぬ時空の裂け目が発生することになってしまう。
そしてもう一つ。とにかく「壊れやすい」のだ。組み上げて数か月も経つと、前述した恒星球が崩れていってしまうのである。
だがしかし、これこそが私がこのプラネタリウムを一番気に入っている点でもある。
恒星球はそれぞれのパーツを両面テープで貼り付けているのだが、どうしても両面テープでは経時劣化で接着力が落ちていってしまう。なので、ある程度時間が経つと、毎回バラバラになったパーツを補修してから使う羽目になるのだ。
そのため、このプラネタリウムは基本的に崩壊した状態で部屋に飾られている。おそらく所持している人は全員そうに違いない。
そして、皆それを見て物思いにふけるのである。「この小さな宇宙も膨張しているのか」「本物の宇宙もこうして崩壊するのだろうか」「エントロピーは増大している」等々。
こうして宇宙に思い馳せることこそが、このプラネタリウムの一番の楽しみ方だと私は解釈している。
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と、何と長らく在庫切れ状態だった本製品が、2018年12月復刻版として再登場した。
何やら私の持っている2013年版の廉価版といった感じで、正直クオリティは下がっているようである。特に星の輝きを表現するための強い光の電球が、汎用品になってしまっているのが残念だ。
なお醍醐味である、宇宙の崩壊を表現する機能は健在のようである。